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富士山寄生の宝永山 [登山]

 富士山寄生の宝永山に登ってきました。強風下で山頂稜線まで行きましたが稜線上は吹き飛ばされそうな強風で宝永山山頂標識の立つ地点には行けませんでした。宝永火口底から観る宝永山です。

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 前日、奥秩父主脈縦走路を歩いて西沢渓谷に下った後、途中日帰り入浴施設で汗を流して、富士山麓を走るR139を走って、富士宮市の富士スカイラインに入る途中にあるtoilet付きの駐車場で車中泊しました。

 翌朝、夜明けを待って富士山富士宮登山道入口を目指しました。富士山スカイラインに入り、標高2000mを超える付近から霧の中に入って、2400mの登山道入口に着く頃には強風吹き荒れていました。途中、早朝にもかかわらず下ってくる車も多く、「今日の登山を諦めた方々だ」と、思いながら終点の最上段の駐車場に6時前に着きました。10台くらいの車が停まっていましたが、皆、車の中で外に出ている者ははありません。私も車を止めて車内でしばし思考です。強風で樹木が激しく揺れています。一段下がった大型車両の駐車場に移動して様子見です。

 車内の整理をしたり朝食を摂ったりしながら2時間近く待って、霧が薄くなり周囲が明るくなったので登山口の最上段の駐車場に移動しました。相変わらずの強風ですが、登山の支度をしている登山者もいるので、私も意を決して、強行登山を覚悟しました。何しろ自宅からここまで来るには一日がかりです。少々無理してもそれほど難しい山ではないという思いからです。隣に車を止めた中国人と思われる数名のGroupも強行登山のようです。

 軽荷のザックを担いで雨合羽着て8:30に富士山富士宮ルート登山道に入りました。

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 霧の強風の中、すぐ先に有る公衆toiletで用を済ませ、溶岩固まった登山道に入りました。登山道はすぐに火山礫のザレタ道になり、新六合の宝永山荘に着きました。途中半ズボンで雨合羽の上着だけ付けて、トレラン姿の高齢登山者が勢いよく追い越して行きました。私は一瞬「この方が有名な富士山オタクの方では」と思ったのですが、あっという間に霧の中に消えてゆきました。富士山登山道が閉鎖された今、宝永山荘は当然閉じられていました。
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 小屋前を通って閉鎖された富士山登山道入口を見て、宝永山遊歩道に入りました。10数分下って行くと宝永第一火口縁です。
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 霧の中で道を探していると、後続の数名のパーテイが追い付いて、正規遊歩道に入って行くのを見て後に続きました。
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 そして遊歩道の最低鞍部の宝永火口底です。ここら辺りで霧も晴れてきて視界も開け、「晴れるのを待っていてよかったな」と思うのでしたが、火口の中も時々強風が吹きぬけていました。オンタデが紅葉していました。火口にはベンチもあり先行したパーティが休憩していました。
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火口底からは火口の東壁を登って行きます。ザレタ登山道で数十メーター先を赤いザックの先行者が居ました。ザクザクと音を立てながらザレタ登山道を進みますが先行者とはズルズルと話されてゆきます。100歩数えては呼吸を整えながら前進です。
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 時々吹き抜ける強風ですが、後方から吹き上げるのでそれほど苦痛には感じません。ザレた遊歩道を小一時間ほど歩き、2回のジグを切ると馬の背で、富士山御殿場ルートに合わさる遊歩道が直進し、宝永山への遊歩道が右に分岐していました。ここで先行していた赤いザックの登山者が、「この先稜線付近から一気に風が強まり立っていることが出来ない」という情報です。雨合羽のフードをしっかり絞めて「稜線まで行ってみる」と言うと、「富士市の者だ」という方が私を先導して稜線まで案内してくれました。富士市のパトロール隊員だったのかもしれません。稜線の手前20m付近で腰を下ろしていると、「ここから先2段階で風が強くなり稜線では立っていられない。宝永山山頂標識の立つ地点へは無理だ」とアドバイスして下って行きました。私は「稜線まで行ってみる」と言って暫し佇んでいました。しっかり耐風姿勢をとりながら這うようにして稜線に登りつきました。稜線に立つと吹き飛ばされそうです。宝永山山頂までは100m・1分の距離です。這ってでも行ってみようかと誘惑にかられ、匍匐前進で数歩進みましたが、稜線から吹き飛ばされそうになり、結局宝永山山頂をに立つことを断念しました。
 稜線からわずかに下って山頂方面をカメラに収めました。
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 こちらは稜線の反対側の富士山山頂方面です。
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 山頂に立つことを諦めても「少し待てば風も弱まるのでは」と、いう思いで稜線から20mほど下った地点で待機です。この間後続の数名のパーテイが山頂目指して登ってきました。
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 しかしこのパーティも稜線で前進を諦め、踏ん張りながら写真を撮って下山して行きました。私はまだあきらめきれず遊歩道の分岐地点で軽食摂りながら待機しました。10分ほど待ちましたが、風が収まる気配がないので、結局諦めて往路を失意の下山となりました。
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 下山中に山頂方面を見上げると青空が広がっていて、「もう少し待てばよかったかな」と、思うのでしたが、稜線付近は雲が流れ、強風が吹き抜けているのも分かり、撤退したことに後悔はありませんでした(ウソ)
 火口底に来ると風もおだんでいて、見上げる宝永山はすっきりとした姿を見せていました。岩陰で風除けしながら、暫しうらやましく宝永山を見上げていました。
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 第一火口縁に登り返して宝永山をバックに通りがかった若者にシャッターを押してもらいました。まだ風強く耐風姿勢です。というか帽子が飛ばされないようにとった姿勢です。
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 新六合の宝永山荘に来ると10名くらいの観光客が雲海の下に広がる景色を楽しんでいました。中には外国人も見られました。それにしても朝五合目の登山口を出た登山者は、みんな宝永山を目指したのではと思ったのですが、宝永山でスライドした登山者の中にそれらしき登山者はみられなかったので、中国人と思われるパーティや短パンで追い越して行った高齢登山者も、「霧と強風の中、富士山山頂を目指したのだろうか」と首を傾げながら五合目登山口に下りました。今日は関節の炎症止めの薬を飲み忘れたので、下山中は膝痛が出て、急ぎ足での下山は出来なかったです。
 登山口には観光客であふれていました。
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「行動時間」
2023年10月1日
富士宮五合目8:30~新六合・宝永山荘9:00~第一火口縁9:15~火口9:25~宝永山山頂稜線10:20/10:50~火口11:30/11:45~第一火口縁12:05~新六合~五合目登山口12:40

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ほろしり

山の厳しさが伝わるレポですね
目の前迄いって残念ですが、御身大切ですから勇気ある撤退でしょか

大弛峠からの縦走、目的達成おめでとうございます
又一つ目標クリア、まだまだ頑張れますね
河野夫妻が剱岳終わらして9月26日に甲武信ヶ岳に登てましたよ
その後、瑞牆山~金峰山往復 両神山と登り90座になったそうです

私も始動しましたが
まだまだ思うような歩き出来ません
無理せずに少しづつ前進出来たらとおもいます
今年は山諦めていましたから
遅くても歩けるだけでうれしいです
by ほろしり (2023-10-05 20:06) 

カモシカnagai

ほろしりさんコメントありがとうございます。
奥秩父主脈縦走路はシラビソやシャクナゲ林の中癒しのトレイルが続きます。来月には雲取山~飛龍山をつないでコンプリート予定です。長野県内の里山巡りも登れる山が少なくなりました。来年からは近県の登山道のある里山巡りを楽しもうと思っています。
河野さんからは登頂報告ありました。来年には百名山完登果たすことでしょうね。私は脚力衰えてコースタイムの倍近くかかるようになってしまいご同行出来る山はなくなってしまいました。一緒に歩いて頂ける雨宮さんには本当に感謝しています。
ほろしりさんももどかしいリハビリが続いていることと思いますが、焦らず長い目で見て復活を図って下さい。
by カモシカnagai (2023-10-06 22:44) 

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