雪倉岳と鉢ヶ岳 [登山]
国土地理院の「日本の山岳標高1003山」の北アルプス鉢ヶ岳に登ってきました。
当初は蓮華温泉から白馬岳~鉢ヶ岳~雪倉岳~朝日岳を周回する計画でしたが、私には1泊2日の行程は難しいと判断し、計画を大幅に修正してのお手軽登山でした。
鉢ヶ岳から見る雪倉岳です。
<9月25日>
自宅を夜明け前に出ましたが、100キロ先の蓮華温泉には7時半過ぎになってしまいました。
蓮華温泉の手前にある展望台から計画の縦走路を見上げます。
蓮華温泉の駐車場は平日の朝にも関わらずほぼ満車状態でした。
7:45
雪倉避難小屋泊予定で、寝袋と炊事セットの入ったザックを担いで登山道に入りました。
登山道はよく整備されていて緩く登って行きます。天狗の庭までは快適トレイルが続きます。
9:40
展望の開けた天狗の庭に着きました。随分と時間が掛かり脚力の衰えを実感しました。
眼下に蓮華鉱山道を見ます。
左上方には小蓮華山も見えますが、まだまだ遠いです。
天狗の庭から先は巨石累々のゴーロの道となります。
11:05
蓮華温泉から3時間半近くかかて白馬大池に着きました。
計画変更してここを起点に明日雪倉岳まで往復しようかと思うほどでした。
白馬大池付近の紅葉も始まったばかりです。
シャリバテ気味だったので軽食を撮って気を取り直して小蓮華山への道に入りました。
12:10
舟越の頭に着きました。
舟越の頭に着きました。
13:15
休憩を挟みながらも白馬大池から2時間で小蓮華山に着きました。今までは追い越されるばかりでしたが、ここで白馬山荘目指す、先行していた中高年グループに追いついて少しは安堵しました。
休憩を挟みながらも白馬大池から2時間で小蓮華山に着きました。今までは追い越されるばかりでしたが、ここで白馬山荘目指す、先行していた中高年グループに追いついて少しは安堵しました。
当初は三国境にザックをデポして白馬岳を往復しようと思っていましたが、この時点で白馬岳往復を諦めました。三国境から直に雪倉避難小屋に入ると決めたらずいぶん気が楽になりました。
小蓮華山からの展望を楽しむ余裕も出たというものです。
これから行く三国境への稜線です。
鉢ヶ岳・雪倉岳方面です。
来し方の白馬大池方面です。
三国境への稜線は下り勾配で稜線漫歩が楽しめます。
白馬岳目指す女性がテント担いで追い越して行きました。
14:10
三国境に着きました。
三国境に着きました。
雪倉岳への縦走路に入りましたが、この時間縦走路を歩く登山者はいません。
蓮華鉱山道分岐で一息入れた後は鉢ヶ岳を巻きながら雪倉避難小屋を目指しました。
ここはこれまで3回歩いているので、巻道に水の流れる沢があることを知っていたので、水の心配はしませんでした。500mlのペットボトル1本しかありません。
最初の沢には水が流れていません。「まさか水無しで一晩過ごさなければ」と大いに危惧しました。
15分ほど進んだ2番目の沢に来ると、上部に雪渓が残り、本当にわずかな水音がして水が流れていました。まさに命の水です。2年ほど前北海道で飲料水不足で脱水症状を起こして遭難寸前に陥った恐怖を思い出し、胸をなでおろしました。
水の流れをせき止めマグカップで掬いながらペットボトルに給水します。10回ほど掬い取ってペットボトルを満杯にして3本のペットボトルとプラステパスに1リットルの水を確保できました。
16:00
水の取れた場所からは15分ほどで雪倉避難小屋に着きました。
水の取れた場所からは15分ほどで雪倉避難小屋に着きました。
沢を登ってきたと云う大阪の若い夫婦が先着していました。私はここは3度目4泊目の小屋です。暮れゆく雪倉岳を窓外に眺めながら持参したビールを沢水で冷やし、3合の日本酒・2合の焼酎を飲んでレトルトのカレーを作って夕食を摂りました。
日が暮れる前に寝袋に潜り込んだ若い夫婦につられて、6時には私も寝袋に潜り込みました。雪倉避難小屋の夜は風もなく穏やかでした。
<9月26日>
翌朝は放射冷却で冷え込むものと覚悟していましたが、意外に暖かな朝を迎えることができました。
5:00
夜明け前に起きて雪倉岳でご来光を拝むことにして小屋を後にしました。
この時点で今日は雪倉岳・鉢ヶ岳を踏んで蓮華鉱山道を下ることを決断していました。
実は自分でも感じていたことですが、昨日舟越ノ頭で会った地元の遭難対策協と思われる3人組に、「明日は雪倉から朝日岳回って五輪尾根を下る」と話したら「時間が掛かりますよ、無理しないでくださいね」と諭されたのです。私の年齢と疲労具合を推し量って「無理だよ」と言っているように感じ取ったのも計画変更の居一因ではあります。
案の定空身でも昨日の疲労が抜けきらず、なかなか足が進みません。ゆっくり登って50分ほどで雪倉岳山頂に着きました。
5:50
雪倉岳山頂
山頂に登り着く寸前に火が登り始めて慌ててご来光を拝みました。
開け行く白馬岳方面です。
こちらは朝日岳方面です。中間にある赤男山の山頂も踏みたかったのですが・・・残念。
雪倉岳から下ると大阪の夫婦はすでに小屋立ちしていました。
7:10
私も急いでパッキングをして小屋を出ようとすると、白馬岳でご来光を拝んだという若者が「1時間10分でここまで来た」と言って小屋に寄り着替えをしてすぐに出て行きました。朝日岳越えて五輪尾根を午前中には蓮華温泉に下るというまさに超人です。
縦走路を小屋から10分ほど白馬岳方面に戻り、ザックをデポして鉢ヶ岳を目指しました。
鉢ヶ岳は巻道ができる前には縦走路が通っていたそうで、それとなくハイマツ帯に登山道跡が残り、ざれた砂礫地にはマニアが歩いたと思われる踏み跡もありました。
縦走路からは30分ほどで鉢ヶ岳山頂に着きました。
8:05
鉢ヶ岳山頂 「日本山岳標高1003山」の一山です。
山頂から見る白馬岳と旭岳
こちらは雪倉岳・朝日岳。
雲一つない絶好の青空の下でパンをかじって朝食としました。
8:40
縦走路に戻って下山開始です。
縦走路に戻って下山開始です。
昨日水の取れた沢では水が涸れていました。夜の冷え込みで上部の設計の雪解けが止まったからでしょう。すこし縦走路を進んでザックを預けて休憩していると朝日小屋を出た若者が追いついてきました。「朝日小屋で縦走路で何カ所か水が採れると聞いてきたが、どこにも水場は無かった」と言ってワうかに残ったペットボトルを見せてくれました。
この時期雪渓が消えているので飲料水はしっかり確保して歩かなければと思うのでした。
9:45
蓮華鉱山道分岐に来ました。ここからは下るだけの4時間を覚悟してざれた道を下って行きます。。蓮華温泉までの長い長い行程が見えます
ざれた斜面を下り切ると沢に出て荒れた道となりますが、ペンキマークでしっかりと案内されていて迷うことはありません。そしてここから先は随所に湧水があって見ずには困りません。
登って来た鉢ヶ岳を振り返ります。
ナナカマドは見頃を迎えています。
いくつかの沢が合わさってその都度徒渉を繰り返しながら下って行きます。
蓮華鉱山跡の比丘尼飯場跡の標柱なども立っていましたが、鉱山跡が偲ばれる所はほとんど見ることはなく樹林に覆われ自然に還っていました。
13:05
中々高度を下げずうんざりするころ鉱山道分岐から3時間少々かかって瀬戸川に下り着きました。
ここは15年前苦い経験した場所です。(橋が無く川に横たわる流木に抱きついて渡った)
瀬戸川の橋を渡ってからがまた修羅場でした。
滑落の危険を感じながらザレ場の川岸を登って遊歩道に出て一安心ですが、そこからが長かったです。カモシカ展望台と鉱山道の分岐から「蓮華温泉まで40分」の表示がありました。
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