SSブログ

群別岳 [登山]

知床岳登山を諦めた後、目標を群別岳に変えました。

日本海側の増毛山地の群別岳、知床岳に負けない難山ではあります。

前日林道を2時間ほど歩いて林道終点1キロ地点にテントを張って、翌日後続の4人パーテイの後ろに付かせていただき、群別岳山頂を踏みました。

快晴の空の下、群別岳まさに白眉の展望を見せてくれました。

DSC_0254.jpg
4月16日

前日、知床岳登山を諦めて、日本海側の群別岳登山に目標変えて旭川まで走って市内中心部にある道の駅で車中泊し、翌朝早く群別岳の入山口石狩市浜益を目指しました。この時点では群別岳は翌日早朝早掛けで日帰り登山を考えていて、旧浜益村の近くにある神威尻山を登ってと思っていましたが、神威尻山の登山口のある「道民の森」への道に入るときが変わりました。浜益村に来ると黄金山が見えてきて、黄金山に登ろうと思いましたが、群別岳の入山口の確認をしている間に中途半端な時間になってしまい黄金山登山もあきらめました。

群別岳日帰り行程は私には少々厳しい行程であるので、2時間半かかるという林道を終点まで歩いて幕営し、翌日群別岳アタックを決断しました。

オロロンラインの国道から3キロほど走って除雪終点の林道入り口には正午過ぎに戻り、幕営道具を担いで13:30出発です。

久しぶりの重荷でペースは上がりませんが焦ることはありません。15時を回るころになると、山頂踏んだと思われる山スキーヤーが下ってきました。この時間に入山する私を怪訝な目で見ながら「今日は風強く霧も発生して南峰までしか行けなかった」と情報を押してくれます。私は車の脇にデジカメを忘れてきたことに気付き、「車の下に置いておいてください」とお願いしながら交差です。今日入山の山スキー登山者は3パーテイ12人ほどでした。

林道を2時間半ほど歩きましたが終点には達せず16時近くになったので風除けのできる林道脇にテントを張りました。

DSC_0246.jpg
DSC_0249.jpg
テント設営後は持参のビール焼酎など飲んでレトルトのカレーで腹ごしらえです。少々寒さを感じ熟睡までとはいきませんでしたが、寝袋に潜り込んで一夜を過ごしました。
4月17日
朝は冷え込みましたが夜明け前には起きて、お餅入りのラーメンを作りしっかりと腹ごしらえしました。
アタックザックにポカり・水・昼食のパンなどを入れてワカンをぶら下げて5時過ぎに群別岳目指して幕営地を出発しました。アイゼンを忘れてきましたが、「急登にかかるころには雪も緩んでいるだろう」と楽観です。
15分も歩くと林道終点になり、トレースを追うと、群別川をスノーブリッジで渡ります。スノーブリッジを渡り少し高度を上げると見事なダケカンバ林の熊の平です。「昨日もう一時間早く出ればここにテントを張れたのに」と思うほどの好テント場です。
DSC_0251.jpg
樹林越しに群別岳の露払いとも云える幌天狗が見えてきました。幌天狗が群別岳と勘違いがこの先続きました。
DSC_0253.jpg
熊の平を15分ほど歩くと素晴らしい景観が現れました。これが群別岳です。
DSC_0256.jpg
トレースは幌天狗に向かって続いていましたが、幌天狗の尾根に近づくと山体を巻くようになり、ブナ林を15分ほどトラバース気味に続いていました。この時点ではトレースは群別岳の右隣の奥徳富岳へ続いているのではと心配になってきました。まだ幌天狗が群別岳と思っていたからです。
地図とスマホの地図アプリで確認し、トレースを追っていると、右後方から女性が先導する4人組のパーテイが姿を現しました。4人組が近づくのを待って、「後ろに付かせてもらっていいですか、間を置きますから」とお願いしました。4人組のリーダー「良いですよどうぞ」快く許可してくれました。入山口を4時半に出ているというから足の達者なパーテイであることが分かりましたが、メンバーには私とあまり変わらぬ歳の方もいて、何とかついてゆけそうです。
前日のスキーやスノーシューののトレースは傾斜の緩いところに続いていましたが、女性が先導するこのパーテイは他人のトレースなどあてにせず、群別岳南峰目指して急登を直登するコースで進みます。
私は数十歩遅れてトレースを追わせていただきました。
休憩のたびに追いつき、4人組とは少しずつ打ち解けて行きました。
DSC_0257.jpg
DSC_0258.jpg
一部雪が締まった急坂の斜面をトラバースしましたが、アイゼンを忘れた私を気遣ってしっかりとステップを切ってくれました。私ももし滑落したらこのパーテイに迷惑をかけるので、ピッケルを利かせながら慎重に一歩一歩進みました。最後は傾斜も緩んで10時半に南峰の岩峰直下に登り着きました。
DSC_0260.jpg
来し方を振り返ります。日本海も見えます。
DSC_0263.jpg
グループの長老二人は南峰直下にザックをデポして本峰を目指しましたが私は軽い荷のアタックザックです。南峰右側を巻きますが、ここが群別岳一番の危険個所で雪崩・滑落の危険を感じる急斜面を約100mほどトラバースします。全jつのものと思われるトレースがあって先導する女性も慎重にトレースを追います。
やがて本峰との鞍部に出て安堵します。最後の登りが見えますがしっかりトレースが付いていました。
DSC_0273.jpg
右側には群別岳の太刀持ちとも云える奥徳富岳(オクトクップ)です。
DSC_0275.jpg
最後の急坂を登りきって11:25に群別岳山頂に立ちました。
ここで私も「長野から来たカモシカ永井」を名乗り、感謝を申し上げました。
DSC_0270.jpg
P4170791.JPG
私を群別岳山頂に立たせてくれた若い二人です。佐竹さん・南さん
DSC_0267.jpg
2度目にして群別岳に立ったという角井さん・高橋さんです。
DSC_0268.jpg
風もなくこれ以上はないという青空の下、増毛山地の暑寒別岳・浜益岳・雄冬岳などの大展望が開けていましたが、私には山座同定は叶いません。
DSC_0265.jpg
奥徳富岳を回って下ろうとした佐竹さん・南さんも往路を一緒に下ることになりました。私はグループより少し遅れて30分ほどの滞頂で群別岳を後にしました。
南峰を巻くトラバース道は慎重歩き、南峰直下でランチ休憩しました。
P4170797.JPG
下山はスキーのトレースを追って樹林帯の安全地帯を下りますが、雪が緩んで脚を取られあまり早くは歩けません。時々は尻セードなども楽しみながら下り足が攣って休憩挟みながら下るパーテイに、私は「テントの撤収があるから」と先に下ることにしました。幌天狗の山麓を巻くころにはワカンを付けましたが、腰痛が出始めて中々急ぐことはできません。
熊の平のダケカンバ林を過ぎて群別川支沢のスノーブリッジ付近に来ると、ワカンが藪にひっかって思い切り前転して、右脛を強打し膝を捻ってしまいました。
腰痛の上膝痛が重なり右足が上がらなくなりました。林道をとぼとぼと歩いていると4人組が追いつき、右足を引きずる私に気を使ってくれます。
幕営場所まで来ると、痛めた個所をテーピングしてくれた上、「幕営荷物を小分けして担いでくれる」というありがたい申し出でです。私はありがたく荷物の一部を担いでもらうことにしました。4人組はテントを撤収する私を残して先に下りました。
テント撤収に15分ほどかかって、16時過ぎに幕営場所を後にできました。痛い足を引きずりながら修羅場の下山となりましたが、泣き言を言っている場合ではありません。「明るいうちに下れれば良いな~」と思う頃18時15分駐車場所に下り着き胸をなでおろしました。車の脇には先に下った4人組が担いでくれた荷物がビニール袋に入って置いてくれて有りました。中には密かに心配していたデジカメも入っていて嬉しかったです。
濡れた着衣を着替え、未だ明るいうちに海岸沿いのオロロンラインに出ると一安心です。4人組が先に行っている浜益温泉に走りましたが既に入浴を終えて帰路についていて会えることはありませんでした。私もゆっくりと温泉に浸かり、汗と疲れを落としましたが膝痛は治ることはありませんでした。浜益温泉からオロロンラインにあるセーコマートで夕食を買って付近のビーチ公園でビールを飲みながら車中泊です。夜間便意をもようして浜益温泉に併設された駐車公園に移動荒れ模様になって強風が吹き始めた朝を迎えたのであります。
群別岳、色々あって私の登山人生に残る思い出の山となりました。
お世話になった富良野山協の佐竹さん・南さんそして旭川の角井さん・高橋さんに改めて御礼申し上げます。
「行動時間」
4月16日
林道駐車場所13:20~林道終点1キロ手前幕営地15:50(幕営)
4月17日
幕営地点5:20~熊の平6:30~後続パーテイに合流7:50~南峰10:30~群別岳11:25/11:50~南峰12:30/12:40~幕営地15:50/16:10~駐車場所18:15


nice!(2)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 2

コメント 3

山子路爺

素晴らしい!

by 山子路爺 (2017-05-03 01:42) 

mama

面白い実話です。4人組がいなかったら どうなってたんだろう?

 出会った登山者がほとんどいないですね。ガイド付き登山の二人組の登山者の気持ちわかります。安心料は高額だけど行きたい山行きたいし、よくぞご無事でお帰りになりました。

すごいなぁ。それと いいお友達いて 幸せだね!

私は 長野マラソン出たけど、完走できず、残念でした。腰と骨盤と練習しすぎか、練習不足か いまだに少し痛いです。

走る前は 永井さんのランニングブログよんで、「まだまだ いける!。」と思ったんですが、ぼちぼち 頑張りますんで。
by mama (2017-05-13 12:20) 

kamoshika-nagai

>mamaさん
4人組と会えなかったら登頂諦めたかもしれませんね。
下山も助けられました。
私が「長野から来たカモシカ永井です」と名乗ったら、「ネットで知っている」と言われました。
単独行は良いことではありませんが、出会い触れ合いをを大事に山を楽しんでいます。
長野マラソン残念でしたね秋の大町マラソンの制限時間が6時間だと思います。
フルマラソン完走の夢を果たすには大町マラソンは如何ですか。
試練を乗り越えていつまでもチャレンジャーのmama 応援しています。
私も老け込まないようにと思い、再起にかけています。
by kamoshika-nagai (2017-05-14 20:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0