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北Alps前衛の黒沢山 [登山]

安曇野市や松本市梓川の西に聳える北Alps前衛の山並み(南安山脈=カモシカ永井命名)にある黒沢山に登ってきました。
一昨年は三郷スカイラインから先の冷沢から、昨年は梓川の金松寺山・天狗岩から山頂目指しましたが、2回ともに深い笹薮に阻まれて敢え無く途中敗退でした。稜線の藪が雪に埋まり快適雪上歩きを期待して出かけてきました。緩んだ雪に足を取られながらも、何とか山頂踏めましたが、登山口の金松寺から標高差1200m超・距離20キロ超の長丁場で、朝5時過ぎ金松寺から入山し、ヘッドランプ点けての下山となりました。

天狗岩山への登山道から見る黒沢山とシラビソ林の中の地味な黒沢山山頂です。

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安曇野市から見上げる南安曇山脈、左から金松寺山~天狗岩~中央の尖った山が黒沢山、右端のこんもりした山は鍋冠山です。(村重さん提供)
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安曇野市・松本市の西方に聳える標高1900m超の山脈にある黒沢山ですが、稜線上には登山道が有りません。北側の冷沢からと、南側の天狗岩からのアタックし失敗した後も、昨年秋には天狗岩の前衛金松寺山に幕営して山頂を目指そうと出かけたことも有りました。その時は結局林道終点登山口に幕営し、翌日天候不安で登頂を諦めました。
ということで今回は実質4回目の黒沢山アタックです。ヤマレコなどの記録を見て、残雪季であれば稜線の藪も埋まっているので難なく山頂踏めそうですが、登山口の金松寺からは天狗岩までの標高差が1200mあり、更に稜線上を約3キロの長丁場です。強い決意を持っての4回目のアタックです。

前夜は金的寺の下にある運動公園で車中泊しました。夜明けを待って林道ゲートに入って浄水施設の情報の空き地に車を停めて5:30に出発です。スノーシューを持ってきましたが重荷になるのを嫌って、残雪が閉まっていることを期待して車に置いて行きました。

数分で林道の第二ゲートを潜りました。

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林道を40分ほど歩いて登山道入口です。ここで軽く朝食を摂りました。
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ヒノキの植林地の中、送電鉄塔巡視路を兼ねた登山道は緩くよく整備さてていて快適トレイルが続きます。登山道入口からは1時間30分で金松寺山直登・巻き道分岐に着きました。快調な歩きで余裕があったのはここまでです。
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菌松寺山の北斜面にある巻き道に入ると残雪が現れました。当初はツボ足歩行でしたが冷え込みで雪が閉まっていて滑るので軽アイゼンを付けました。金松寺山からの合流点までは15分ほどと思っていましたが30分以上も掛かってしまいました。
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合流点から先の尾根は雪もなく軽アイゼン外して快適に歩けます。
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それでも標高を上げると雪道になり、気温も上昇して、緩んだ雪に足を取られながらの高度を上げて行きます。右前方には目指す黒沢山が見えてきましたが。まだまだ遠く「あそこまで往復出来るかな~」と不安に思うのでした。
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そして天狗岩山への最後の急登を凌いで稜線分岐に着きました。ここまで駐車場所からは5時間近くかかっていて10:15すぎでした。当初も思惑ではここまで4時間でしたので大幅の遅れに焦りは募りました。
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天狗岩山山頂まで数分の稜線分岐付近はカラマツの植林地で北斜面になり雪が閉まっていました。
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再びアイゼンを付けて快適雪上歩きが始まりました。「このまま黒沢山まで締まった雪である」ことを祈りながら・・・。最低鞍部まで10分ほどの下りです。
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しかし締まった雪も最低鞍部までで、1994m標高点への登りにかかると南斜面になり、笹が現れていて残雪も途切れ途切れになりました。残雪を拾っても足が潜り快適歩行とはいかないようになりました。それでも稜線分岐からは40分歩で11:10には1997m標高点に着きました。昨年藪漕ぎして目指した時の撤退地点です。
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昨年はここを1030に諦めたのですが今回は前進あるのみです。とにかく「12時まで前進して」という思いです。
稜線上も途切れ途切れの残雪に足を取られながらも雪で倒れた笹の上を歩いて進みました。
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この程度の笹なら夏でも十分歩けるような所も有り、昨年諦めが早すぎたかなと思うほどです。
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稜線上には標高1956m・1956mと良い目安の標高点がありそれを目標に残雪と笹薮越えて行きます。目標を「13時まで前進」に切り替えました。標高1957m地点です。
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既に13時を回っていましたが、黒沢山への最後の登り、標高差100mほどに近付いては進むしかありません。そして黒沢山への登りは全く雪が無く笹薮もなくそれとなく踏み跡が続いていました。
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金松寺から7時間45分後の13:15、とうとう念願の黒沢山山頂に着きました。シラビソ林の中で山名プレートもなく全く展望もない山頂です。
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細長い山頂付近をしばし散策して三角点を探しましたが三角点は雪の下で見つかりませんでした。
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金比良山から山頂に直接登り上げる尾根を登って来たトレースが有りました。最高点の樹木の下には壊れた小鳥箱が有り、樹木には藪山で見慣れた激藪氏の物と思われる赤テープが巻かれていました。
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展望もない山頂ではパンを口に入れた後は15分ほどの滞頂でした。本当はゆっくりしたかったのですが帰りもどう見積もっても5時間はかかりそうです。
「焦るなよ、あせるなよ」と言い聞かせながら往路を戻ります。稜線分岐間近の1997m標高点には15:15に着き、何とか先も読めて一安心です。
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天狗岩山の稜線分岐には16;15に着きました。結局稜線往復は片道3時間・往復6時間掛かっていました。残雪が緩んで足を取られたのが痛かったです。ここで自宅に「暗くなっての下山になるが心配しないよう」に電話しました。天狗岩からの急坂を下って、登ってきた黒沢山に別れを告げました。後方には鍋冠山が白く輝いていました。
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金松寺山直登コース分岐には17:25の到着です。もう明るいうちの下山は無理なのでヘッドランプを用意し、ヒノキ林の中の快適トレイルをとぼとぼと下りました。ヘッドランプを灯すころになると足も攣り始め、ツムラ68を服用して、ゆっくりと下りました。途中の水場で一息入れて林道終点の登山道入口には18:45の到着です。

最後の林道歩きが修羅場でした。疲労困憊で足が上がらなくなり何度か腰を下ろして休憩をとりながら下りました。両足共に棒のようになって、駐車地点には19:45分の下山となりました。朝5時半に出て114時間を超える黒沢山登山ではありました。それにしてもよく歩いたものだが健脚者の倍近い時間がかかっていたものと思います。

「行動時間」
金松寺林道入口付近駐車5:30~林道終点登山口6:20/6:30~金松寺山直登分岐8:00~天狗岩山稜線分岐10:15/10:25~1997m標高点11:15~黒沢山13:10/13:25~稜線分岐16:15/16:25~金松寺山分岐17:25~林道終点18:45~駐車地点19:45

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