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野麦峠から戸蔵 [登山]

乗鞍岳から野麦峠に下る岐阜・長野県境にある尾根の途中にある戸蔵(トゾ)と云う珍しい山名の山に登ってきました。昨年も同時期に山頂目指しましたが、笹の密藪に阻まれて敢え無く敗退した山です。「今年はどんなことがあっても山頂踏むぞ」と云う意気込みでした。昨年と変わらぬ残雪状況でしたが、何とか踏ん張って山頂を踏むことが出来ました。

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4月初めに御嶽山付近の上俵山に登った時に眺めた乗鞍岳は例年にない積雪量で、「野麦峠から戸蔵迄の県境尾根には十分な残雪があるだろう」と期待して昨年と同じ時期に戸蔵登山を計画しました。

事前に松本建設事務所に野麦街道の冬季閉鎖解除を問い合わせると「岐阜県側が昨年の災害で通行止めが続いているので、長野県側の奈川の川浦ゲートから先も閉鎖中」と云う返答でした。野麦峠迄6キロの車道歩きを覚悟していましたが、途中から旧野麦街道がショートカットしていることが分かり、冬季閉鎖の川浦ゲートから野麦峠迄は2時間の歩きを覚悟して川浦ゲートまで来ました。前日ゲートの手前1キロほどにある道路脇の空き地に車を止めて車中泊です。

翌朝5時にはゲート前に車を付けて5:20に出発です。

ゲート前の清水牧場への分岐地点です。

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ゲートは冬季閉鎖中ですが、今季の冬季閉鎖は4月15日までですが、野麦峠にある各施設は岐阜県側が運営しているので冬季閉鎖が明けても今期は未だゲート閉鎖中です。
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車道を20分ほど歩いて旧野麦街道入口に着きました。
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長野県史跡に指定された野麦峠への旧道はとてもよく整備されていて、快適トレイルが続いていました。峠までは1300mほどの距離です。
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途中には4か所ほどベンチも設置されていて歴史の道をゆっくりと楽しめます。
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旧道入口から途中朝食タイムをとっても丁度1時間掛かって野麦峠に着きました。
こちらは峠からの旧道入口です。峠直下には残雪が有りました。
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早朝7時前の野麦峠から見る乗鞍岳です。
すっきりした天気ではありませんが、今日は天気の崩れは心配なさそうです。
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お助け小屋などの峠の施設は休業中で誰もいない野麦峠です。岐阜県側の災害復旧工事が終わり早く開通できると良いですね。長野県側も野麦峠までは解除してほしいと思いました。
県境にある水準点も見ることが出来ました。
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乗鞍岳眺めながら一息入れた後はいよいよ戸蔵目指して藪山へ入って行きます。昨年の経験があるのでまだまだ余裕の入山です。
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県境を示す境界杭には赤布が下がりよい目安ですが、踏み跡はもない完全笹薮です。
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この辺りから残雪があるのではと期待してきましたが、昨年と何ら変わらぬ笹薮です。左側の尾根に取りついて境界杭の位置を示す赤布を追いました。
峠から標高差100mの1793m標高点までは1時間のつもりですが、何とか1時間掛かって標高点まで来ました。昨年はここからしばらく残雪が繋がっていたのですが・・・。
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実は「ここから先は残雪踏んでルンルン気分で戸蔵迄」と目論んできたのですが、案に図らんや、昨年より残雪が繋がっていません。昨年は増田女史を同行していたので、雪の切れた地点で撤退しましたが、今年は「どんなことしても戸蔵山頂まで」の覚悟です。
雪が途切れると笹の密藪を掻き分けながら前進を続けます。心が折れそうになる笹薮の中の時間が過ぎて行きます。ここが踏ん張りどころでした。
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漸く県境の東側・長野県側に雪が繋がっているところまで来ました。
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完全にはつながっていませんが雪が途切れると藪を掻き分けながら前進です。そして1793m標高点からは1時間と云う目標であった1904m標高点には1時間半以上も掛かって9:40の到着です。
倒木に腰を下ろして10分ほどの休憩をとりました。「ここまで駐車地点からは4時間以上かかっているが11時まで前進しよう」と決意して腰を上げます。
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1904m標高点からは長野県側に雪が繋がっていて快適残雪歩きが続きました。所どころで雪が途切れると笹薮漕ぎするところもありましたが・・・。そしてようやく眼前にこんもりとした戸蔵を見ることが出来る地点まで来ました。
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残雪が途切れて、急登の笹薮地獄を踏ん張って林間地点に上り上げると完全雪山でした。
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樹林の中緩やかに登って行きます。
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最後は美しいブナ林の雪原を行きます。
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とても山頂とは思えない戸蔵の最高点付近です。
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川浦のゲートから5時間半・野麦峠から4時間・1904m標高点からは1時間ほどかかって戸蔵の最高点に着きました。最高点の古木に朽ちた山名プレートが有りました。
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GPSで位置確認すると三角点は最高点より50mほど戻った付近です。GPS頼りに三角点の有る地点に戻りましたが三角点は雪の下で発見できませんでした。
持参したホワイトボードに山名記載して登頂写真を撮りました。
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笹に腰を下ろしてランチ休憩です。「残雪季限定の戸蔵の山頂踏む者はそれほどはいない」と思うと、「この歳で良く登って来たものだ」と少し自慢したくなりました。健脚者の倍近く時間をかけていますが・・・。
30分ほどブナ林の中の山頂でランチ休憩をとった後は11:20に山頂を後にして往路を下りました。笹薮の中では何回もGPS軌跡を確認しました。そして疲労で足がもつれて何度か笹薮の中で転倒しました。
登りに1時間掛かった1904m標高点までは40分で下り、そこから2時間半以上かかった野麦峠までは2時間弱で、14時には下山出来て胸をなでおろしました。
天気の崩れはありませんでしたが、乗鞍岳今日は良い姿を見せることはありませんでした。
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峠で休むことなく野麦街道旧道に入り、30数分で川浦側の入口に下り、車道を20数分で歩いて川浦の車道ゲートには15時前の下山となりました。登りに5時間半、下りに3時間半休憩を含めて9時間半の戸蔵登山でした。
ロングラン登山のわりにそれほど疲労を感じることはありませんでした。
残雪と藪山登山はもうしばらく続きます。
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「行動時間」
野麦街道川浦ゲート5:20~旧道入口5:45~野麦峠6:45/6:55~標高1793m地点8:10頃~標高1904m地点9:40/9:50~戸蔵10:50/11:20~野麦峠13:55~旧道入口14:30~川浦ゲート15:55



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