大桑村の砂小屋山

木曽路の里山探訪２日目は阿寺渓谷から長い林道を歩いて砂小屋山に登りました。薄い杣道と藪を漕いで登りついた砂小屋山山頂には場違いの赤テープで仕切られた三角点が有りました。それだけに苦労して登りついた目標点で満足感を味わうことが出来たというものです。笹の下に探す三角点も良いですがたまにはこんな三角点も良いものです。

大桑村の木曽川に架かる阿寺橋を渡って阿寺渓谷に入り、3キロほど先に有る広い駐車場に車を止めました。舗装されていてtoiletも完備した駐車場です。6時前の駐車場でまだ1台も止まっていませんでした。

駐車場の下流50mほどにある樽ヶ沢橋のすぐ下に樽ヶ沢林道が分岐していて、分岐からすぐ先にゲートが有りました。長丁場を覚悟して6時過ぎの出発です。

坦々と歩いて4キロ地点まで来ると林業関係者の車が来ました。この時間に歩いている私を不審に思ったのか「どこへ行の」と車を止めて声かけてきました。「砂小屋山へ行く」と返事すると「砂小屋山なんて聞いたことが無いな～」と云うので持参した地形図を見せ「ネットで登山経路を調べてきた」と云っても「この山に登る道はない」とつれない返事が返ってきて「まぁ気を付けてな」と車を走らせました。その後も材木積み込み用の作業車が通過して行きました。
10分ほど進むと先ほどの車が下ってきて「砂小屋山に行くには別の道が有る」と、またおせっかいにアドバイスを始めました。（実はこの時には地形図を落としてしまい車が最初に出会った地点まで戻って落とした地形図を回収してくれました）そして「この先樽ヶ沢林道を数キロ歩き、峠付近まで進めば尾根伝いに砂小屋山方面に杣道が有る」とのことでしたが、「そこが分かる地形図もないから私の計画通りの尾根を登る」と、アドバイスに感謝しながらも返答しました。

そして4.5キロ付近に来ると樽ヶ沢林道から分岐する「樽ヶ沢付知又林道」起点に来ました。

分岐した林道を0.5キロほど進むと目指す入山地点の尾根に来ました。付近には伐採木集材用の索道が有り集材用や玉切り用の重機が停められていて、先ほどの作業員と思われる方々の作業音が響いていました。
ここまで入山地点の林道ゲートから約5キロですが、2時間もかかっていました。（地形図を回収したり作業員との会談などで10分位ロスが有った）

入山地点に案内などはありませんが、尾根に登り上げる踏み跡が有り尾根に駆け上がりました。

尾根アスナロ等の小藪が被さる煩い尾根でしたが、それなりに杣道が続いていました。

１２６２ｍ標高点付近からはヒノキの天然木の巨木が茂る尾根になりました。

その先は灌木で道も消えていましたが、所どころに樹木の幹の黄色いテープが巻かれて導いていて、迷うことなく高度を上げて行きました。急登の植林帯や倒木の植林帯も乗り越えて行きます。

山頂付近は腰丈の笹薮となりましたが、黄色いテープの撒かれた樹木を追って、尾根取り付き地点からは2時間半かかって砂小屋山山頂に到着です。ヤマレコの記録ではこの尾根を1時間半で登ったという記録でしたが、今の自分ではこれが精いっぱいです。笹薮の先に数メートル四方刈り払われ、赤テープで仕切られた中に三角点が有りました。

藪の下に三角点を探すのも藪山登山の楽しみでもありますが、このように苦労して登りついた自分を待っててくれるような三角点もまた感動ものですね。どなたが付けたのでしょうか？林業関係者ではないと思います。

三角点脇の樹木には激藪氏の赤テープが巻かれていました。

三角点脇に腰を下ろして軽食摂りながら30分近くの休憩です。

下山は往路を戻るだけですが、これが結構難しく、何度か道を失いながらも黄色のテープを追いながら尾根に戻り2時間かけて林道に下ることが出来ました。

登りに2時間近くかかった樽ヶ沢付知又林道と樽ヶ沢林道を1時間15分で歩いて阿寺渓谷の駐車場に戻りました。

「行動時間」

2021年10月5日阿寺渓谷駐車場６：０５～樽ヶ沢林道～樽ヶ沢付知又林道入山地点８：０５～砂小屋山１０：３５/１０：５０～入山地点１２：５５～駐車場１４：１０

予定より2時間ほど時間がかかったので午後から予定していた飯盛山登山を諦めて阿寺渓谷の川岸道路を阿寺渓谷キャンプ場まで走ってみました。休日には大勢の観光客でにぎわう阿寺渓谷も静かなものでした。

阿寺渓谷から大桑道の駅に戻って今夜も道の駅で車中泊しました。