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長野・岐阜県境の賤母山と男埵山 [登山]

昭和30年代の山口村神坂地区、平成の大合併までの山口村は信州の領地でした。地政学的には南木曽町との村界尾根の南側斜面にあって中津川市に向かって集落が点在する村です。義理や人情も捨てて便利が一番と住民の意思が一致して岐阜県に越県合併した村です。信州そして木曽をこよなく愛した文豪島崎藤村の故郷馬籠宿などもあって、信州人にとってはとても寂しいことです。警察官や教員など公職にあった方の中には私の住む北信地方からも赴任した者もいたそうです。そんな思いをもって木曽川の山口ダム下流の旧山口村にやってきました。目標は県境尾根となった昔の村会尾根にある賤母山と男埵山(オダルサン)です。

画像は県境となった中山道馬籠峠から旧山口村方面です。

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コロナ感染拡大中の岐阜県に入るのは少々躊躇しましたが、木曽川に架かる賤母大橋の1キロほど先に有る「道の駅・賤母」で車中泊しました。土曜日の夜ですが不要不急の外出自粛で大型トラック以外は駐車する車は少ない夜でした。


【賤母山】

夜明けを待って車を道の駅の休憩施設の無い西側駐車場に移動しました。
軽荷のザックを背負って道の駅の北側から山中に延びる賤母川林道に入りました。林道は一般車の進入規制されていてすぐに施錠されたゲートが有りました。車が十分走れる路面状態でしたがゲートのすぐ先に大木の倒木が道を塞いでいました。賤母川沿いに結構勾配のきつい林道を行きます。

林道を50分ほど歩いて林道終点に来ました。この間左側に取りつく尾根を探しながら来ましたが崖状態が続いていて取り付けそうな所はありません。「林道終点付近から尾根に取りついた」という登山記録をネットで見てきたので付近を探しましたが、それらしいところは見つかりません。何とか取り付けそうな場所を探してアタックしましたが上方には大きな岩場が被さっていてとても登れそうもありません。30分ほど彷徨いましたが尾根に上がるのは無理と判断し林道に戻りました。
地形図を見ながら思案です。林道終点の少し上流の沢に張り出した小尾根を登ることにしました。

林道終点には赤布が下がっていてその先にも続いていました。数分歩いて「この付近かな」と思う場所にも赤布が下がり沢の徒渉ポイントのようです。水量の少ない沢を渡り張り出した尾根に取りつくと膝丈の笹の中急坂が続いていて赤布が導いていました。10数分ほど笹原の急登を凌ぐと尾根上に登りつくことが出来ました。
緩い勾配の尾根には快適なトレイルが続いていました。

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尾根上には藪もなく所どころに露岩が現れますが快適登高です。
最後は再び急坂を凌ぎ徒渉ポイントからは1時間足らずで主稜線に登りつきました。主稜線は左に行けば賤母山、右に行けば旧山口村のふるさと名山の高土幾山です。
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県境稜線を左に数分歩いて賤母山に着きました。
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銅板に「賤母山」と刻まれた山頂標識が有りました。
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賤母山山頂は木立の中で展望が有りません。林道終点で取り付き地点を探して40分ほどロスしましたが、あっけなく山頂を踏めて満足の賤母山山頂でした。しばし休憩の後は往路を下り林道を道の駅賤母に戻りました。
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「行動時間」
2021年5月9日
道の駅・賤母5:10~林道終点6:00/6:45~賤母山7:35/7:45~林道終点8:20~道の駅9:00

木曽路の里山探訪3日目です。前日は馬籠宿のとある駐車場で車中泊して夜明けを待って馬籠峠に向かいました。


[男埵山(オダルサン)]

男埵山も旧山口村と南木曽町の境界尾根(長野・岐阜県境尾根)にある山です。ネットで調べると県境尾根に薄いながらもそれなりの登山道が有るようで、入山口は馬籠峠です。

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馬籠峠から50mほど長野県側に下った地点に駐車スペースが有りました。
中山道の旧道を少し下って県境尾根の末端に取りつきました。踏み跡か赤布が有るものとばかり期待していたのですが笹原の中人の歩いた形跡はありません。笹原の中強引に高度を上げて行くと作業道が現れました。山麓をトラバース気味の作業道を左右に行き来しましたが上方に進む踏み跡はありません。地形図を見ながら県境尾根を笹薮かき分けました。やがて笹薮はスギの植林地に変わり少々歩き易くなりましたが踏み跡はありません。杉林を登りきると左側からの尾根が合わさり赤布が下がっていました。(実はこの尾根が正規ルートで、当初横切っていた歩道の奥に尾根取り付き場所赤白の境界標識があった。下山時はこの尾根を下った)そこから先は県境尾根にしっかりした道が有りました。
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尾根には崩壊地も見られました。
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ロープの下がる痩せた急坂も現れますがそれほど危険を感じることもありません。取り付き地点で時間がかかったために馬籠峠から最初のピーク1012mピークまでは2時間もかかってしまいました。
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1012mピークの先に歩き易い尾根歩きが続きました。
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標高1200mを超える付近からは登山道に笹が被さるようになりました。
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高度を上げるに従って笹藪が濃くなりますが笹の下にしっかりした道が有ります。
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標高1300m地点からは男埵山山頂までは勾配の無い笹薮地獄になりました。背丈を超える笹を両手でかき分けながら前方に赤布を見失いように進みます。この笹薮地獄の下には道も消えていましたがそれなりに人が歩いた形跡が有ります。ダニの恐怖も覚えながら必死に藪漕ぎしてようやく男埵山山頂に着きました。
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笹が刈り払われたわずかなスペースに三等三角点が迎えてくれ、手製の山名プレートが三角点に添えられていました。
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ここまで4時間もかかっていて疲労を覚えました。山頂で一息入れているとスマホに電話が入り旧知の大垣山岳会の「ウルトラヤマキチ在間女史」からでした。
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藪の中の山頂で20分も休憩の後往路をゆっくりと戻りました。登りに使ったスギ林の県境尾根は赤布に導かれて正規ルートを下り歩道を10分ほどトラバース気味に歩いて馬籠峠のバス停に下りました。(正規ルートはここを上がって登山道らしき道を10分ほど進み沢の手前に赤白の境界杭が立つ尾根を登る)
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次の目標もありましたが朝6時前から正午過ぎまでの行動時間7時間の男埵山を下りた後は疲労困憊で、道の駅賤母に戻ってゆっくりと休憩しました。
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「行動時間」
2021年5月10日
馬籠峠5:50~1012mピーク7:45~男埵山山頂9:45/10:05~1012mピーク11:35~馬籠峠12:35

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