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南信州の里山探訪 [登山]

国土地理院の地図に載る長野県の山を出来るだけ多く登ろうという企画で、南信州の山々を訪ねてきました。今回は5泊6日で天龍村、平谷村と阿智村の11山に登りました。1000m級の小さな里山が多いですが、この付近はまさに山国信州の代表的な中山間地で、入り組んだ林道をたどりながら入山場所を探しました。

登った山の山行記は後述しますが、南信州を見てきた印象を書き綴りたいと思います。

天龍村は天竜川が諏訪湖を出て長野・静岡・愛知県境に流れ着き、佐久間ダムでせき止められたどん詰まりの場所にあります。普通川下に出れば大きな街に出られるものですが、天龍村から川下に下っても町には着きません。平岡ダム湖から少し下った平岡地区は急峻な山腹にへばりつくような場所に階段状に家並みが連なっています。軽自動車でなければ走ることのできない細い道路が山の上100mほど続いています。平岡から5キロほど下ると長野県最南部、飯田線の秘境の駅で知られる中井侍地区で山の中に茶畑を耕作の数軒の集落が点在しています。天竜川の右岸側には坂部の冬まつりで知られる坂部集落が有りますが、ここもまた深い山の中の小集落です。

天龍村から静岡県浜松市水窪町に通じる道は、天竜川にかかる水神橋から中井侍~天竜川林道を30キロ近く走らなければなりません。林道を10数キロほど走って観音山の登山口も小城という今は無人と思われるの3軒ほどの集落跡まで走りましたが、途中・上平などの小集落が有りました。

水神端付近から右岸側の県道1号線を数キロ走って愛知県に入りますが、県境からさらに6キロ走って豊根村の旧富山集落まで人家はありません。対岸を走る飯田線の大嵐駅は静岡県側にありますが、天竜川に架かる橋を渡って大嵐駅が愛知県旧富山への玄関口になっていました。富山の駐在所で食料調達などの手段を聞くと、富山から豊根村中心部に行くより天龍村の上流阿南町から飯田市に買い出しに行くそうです。阿南町まで30キロほどあるそうです。対岸の静岡県には集落はなく水窪町までは1時間の林道走行を余儀なくされるようです。佐久間ダムをはさんだこの地区はまさに「地の果て・陸の孤島」と云えるのではないでしょうか。

天龍村八嶽山などを登った後は、阿南町から売木村を経て平谷村の里山巡りでした。愛知・岐阜県境にある根羽村も含めて人口1000人にも満たない小さな村ですが、平成の合併の際も自立の道を選び、住民が一丸となって山林育成や伝統文化などを守っていて頭が下がる思いでした。平谷村の道の駅に併殺された日帰り入浴施設の「ひまわりの湯」で地元の有力者と思える方に「500人の住民でよくやっておられますね」と声かけると、「どの村も土俵際いっぱいいっぱい」と笑って答えてくれました。そして信州南端にありながら、阿南町の道の駅は「信州新野千石平」、売木村は「南信州うるぎ」、平谷村は「信州平谷高原」と銘打って信州ブランドを売りにしていてくれるのも嬉しいですね。今回訪れそこなった根羽村もまた信州であることを誇りにしている事でしょう。治部坂峠を越えれば地勢的には愛知県・岐阜県側に向かっています。木曽郡山口村のように将来は越県合併して信州から離れることが無いのを祈るばかりです。以前根羽村が愛知県豊田市と合併話があったことが気になるところではあります。

長野県は南北に250キロ近くあります。北信に住む私にしてみれば今回里山探訪した南信州はとても遠いですが、同じ信州という事で連帯感を抱きながらの楽しい山巡りでした。


天竜川林道で出会った牝の子カモシカです。

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